AIを利活用しつつ、創造性のための余白をつくるには
東京都は「東京都AI戦略」の下、すべての都民にとって都市の可能性を最大化するための原動力として、AIの積極的な利活用を推進している。SusHi Tech Tokyo 2026においても、AIを最先端の分野の一つとしてフォーカスし、新興テクノロジーが社会をどのように変革しているかに焦点が当てられた。
メディアジーンでは全社的にAIツールを導入し、スタッフがさまざまな業務でAIを活用している。日本に拠点を置き、台湾にグループ会社を擁し、国際的なメディアブランドともパートナーシップを持つ同社は、日本語・英語・中国語という3言語での事業展開において、多言語翻訳やコンテンツの共同制作にAIを取り入れている。社内向けのコンテンツマーケティング施策やメディアプラットフォームの開発を進めながら、独自のAI利活用サービスの構築と日常業務への統合にも取り組んでいる。
「この技術は急速に進化しています。数日前には不可能だと思われていたことが、突然できるようになる。だからこそ、私たちは常に適応し続ける必要があると思います」と今田氏は語る。こうした考えの下、メディアジーンでは、状況は常に変化するという前提に立ち、AI活用に関する社内ポリシーも柔軟に運用している。
「こういうことは人間がやるべきだ」という職人気質のこだわりが出てくることもある、と今田氏は指摘する。しかし自身が優先するのは、AIでは本当に代替できない仕事に時間とエネルギーを使うことだ。「AIを積極的に活用して仕事のスピードと効率を高め、創造性のためにより多くの時間を確保する。それがとても大切なことだと思います」
今田氏が欠かせないと言うのが、創造的思考やアイデア出しのための時間を意識的に作ること。広告業界のジェームス・W・ヤング氏による名著『アイデアのつくり方』を引き合いに出し、創造のプロセスは大量の情報を吸収し、それを内部で処理・整理した後、一定期間そこから離れることからなると語る。
散歩をしたり、映画を観たり、何か関係のないことをしていると、これまでに蓄積したものの中から新たなアイデアが生まれることがある。「これは一見『仕事』ではないように映るかもしれません。でも、仕事のことだけに集中しすぎると、やがて考える力が鈍ってしまう」と今田氏は説明する。「だから、創造性を発揮するためには……
写真/穐吉洋子
翻訳/舘山未来


