オカピの「トト」が死亡しました
オカピの「トト」が死亡しました
恩賜上野動物園(園長 福田豊)でオカピの「トト」が死亡しましたので、お知らせします。
1 死亡したオカピ
オカピ「トト」
(撮影日:2022年8月29日)
死亡確認日
2023年7月8日(土曜日)
名前
トト
性別
オス
年齢
16歳
生年月日
2006年8月2日 よこはま動物園ズーラシア(神奈川県横浜市)生まれ
2020年11月30日 横浜市立金沢動物園から恩賜上野動物園に来園
死因
腹膜炎
2 経緯
トトは2006年8月2日によこはま動物園ズーラシアで生まれ、アメリカ動物園水族館協会の繁殖計画(SSP【注1】)に基づき、横浜市立金沢動物園から2020年11月30日にブリーディングローン【注2】で来園しました。
7月6日の朝から食欲不振などの症状があり、腹部の膨らみが見られたため、投薬治療を行ってきました。しかし、症状の改善が見られず、7月8日の夕方に状態が急変し、獣医師が治療にあたりましたが回復せず死亡しました。
【注1】アメリカ動物園水族館協会の繁殖計画(SSP)について
SSPとは「Species Survival Plan」の略で、「種の保存計画」のこと。アメリカ動物園水族館協会(AZA)では複数の希少動物に対して飼育下での繁殖を行うため運営されています。計画加盟園館は、この計画に従って繁殖や動物の移動を行います。
【注2】ブリーディングローンについて
繁殖を目的とした動物の貸借契約のこと。動物園間で個体を移動させることによって、新たなペアを形成し、繁殖に寄与することを目的としています。
3 当園での飼育状況(2023年7月10日現在)
トトの死により、当園で飼育するオカピはいなくなりました。
4 国内の飼育状況(2022年12月31日現在)
3園館 5頭(オス4、メス1) ※死亡した「トト」を含みます。
参考資料:飼育動物報告一覧【(公社)日本動物園水族館協会】
参考
オカピ(偶蹄目 キリン科)
(IUCNレッドリスト:EN(絶滅危惧1B類))
- 学名
Okapia johnstoni - 英名
Okapi - 体長
2メートル - 体重
200キログラム~300キログラム - 分布
コンゴ民主共和国の中央および北東の熱帯雨林 - 生態等
草食性で主に木の葉や小枝を長い舌を使って食べます。キリン科の動物ですが、キリンと異なり群れはつくらず、単独行動をとります。平均的な妊娠期間は430日で、通常1頭の子を出産します。飼育下での寿命は15年から30年です。
20世紀になって初めて発見され、生態についてはいまだ研究途中です。視力と聴覚にすぐれ、生息地の森の中で身を守るために役立っています。伸ばすと30センチメートルにもなる舌は、餌である木の葉を選んで採食するほか、目や耳をなめてきれいにするためにも使われます。