【多摩動物公園】チーターとサーバルの体重測定

東京ズーネット
 昨年度、多摩動物公園では動物園サポーター制度のサポーター資金を利用してチーターとサーバル用に1台ずつ体重計を購入しました。動物園サポーターのみなさま、ありがとうございます。
 

購入した体重計

 アフリカ園で飼育しているネコ科3種(ライオン、チーター、サーバル)のうち、ライオンの動物舎には、シュートと呼ばれる動物用の通路の一部に体重計が埋め込まれており、これまで定期的に体重測定をおこなってきました。しかし、チーターとサーバルの動物舎にはそういった設備がなく、ワクチン接種や健康診断、治療があるときなど、麻酔をかけた状態や輸送用の箱に入っているときにしか測定ができていない状況でした。

 動物を飼育管理するうえで体型による痩せ具合や太り具合の判断は大切ですが、外貌にはどうしても主観的な意向が加わり、担当者によって基準やその判断が異なることがあります。そのため、体型による判断に加えて、体重という数値で動物の状態を把握することも大切です。今後、期間限定になりますが、サーバル展示場横の掲示板に体型評価に関する解説を設置する予定です。みなさんの動物観察のヒントとしていただければと思います。

 2024年の秋に体重計が届き、まずはサーバルの体重測定から取り組みました。サーバルは、以前から寝室の格子近くで伏せの状態を維持するトレーニングをおこなっていたこともあり、体重計に対しての警戒はあったものの、慣れてからはスムーズに乗れるようになりました。現在では、全頭の体重測定を定期的に実施しています。
 

サーバルの体重測定

 チーターは、今年の春から体重計に慣らす練習を始めました。2023年にアメリカから来園した「バステト」(メス)は採血のトレーニングを現地で経験しており、継続して私たちも採血やワクチン接種のトレーニングに取り組んでいます。

 この個体なら一番スムーズに体重測定ができるのではと期待し、最初に挑戦しました。警戒心が強い個体なので、さすがに初回から体重計には乗らないだろうと予想していましたが、やや警戒しながらも体重計に伏せの状態で乗り、思いのほかスムーズに測定することができました。
 

チーターの体重測定

 続けて、期待を込めながら2頭目に挑戦しました。体重測定に成功した個体以外は伏せの状態を維持するトレーニングをおこなっていなかったため、体重計に近づくものの乗った状態の維持まではできませんでした。その後、伏せの状態を維持するトレーニングを含めて練習を続けた結果、現在、9頭中4頭の測定ができるようになりました。

 すべての個体で実施できていないため一概にはいえませんが、今のところ、メスは初回でも体重計に対してあまり警戒せずに好奇心旺盛に近づいて乗る傾向があり、オスは警戒心が強く、近づかない、または慎重に近づく傾向がありました。こんなところで雌雄差が出るとは思わず、とても興味深く思いました。

 まだまだ時間はかかりそうですが、定期的なチーターの体重測定実施を目標に、動物のペースに合わせながら進めていきたいと思います。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 苅部〕
 
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