「水で膨らむボール」の誤飲事故に注意!
「水で膨らむボール(吸水性合成樹脂製玩具)」は、高吸水性の樹脂を材料として使用しており、吸水することで数倍から数十倍の大きさにふくらみます。ふくらむ前の直径は数mmから十数mmで非常に小さく、乳幼児が誤飲する可能性のある大きさです。また、誤飲したボールが消化管内でふくらみ、腸閉塞などに至る事故が発生しております。保護者の方は、「事故を防ぐポイント1,2」を参考に、誤飲事故を防ぎましょう。
事故事例
男児と姉は入浴時に大量の「水で膨らむボール」で遊んでいた。7日後に嘔吐、腹痛が出現した。医療機関を受診するも胃腸炎として帰宅となったが、9日後に、症状継続するため再診し、CT検査にて、腹水を伴う腸閉塞として同日別の医療機関で緊急手術となった。(2022年3月 5歳男児)
※公益社団法人日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)を要約
事故を防ぐポイント1
- 対象年齢未満の子供には絶対に使用させないでください。
- 対象年齢以上であっても、子供が使用するときは保護者と一緒に使用しましょう。
- 子供が容易に持ち出せない場所に保管しましょう。
- 対象年齢未満の子供がいるご家庭では、製品の購入を控えましょう。
- 誤飲した可能性がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 受診する際は、商品やパッケージを持参するなどして、医師に誤飲したものに関する情報をできるだけ伝えるようにしましょう。
提供:NITE
「水で膨らむボール」の吸水前後の変化
(左:浸水開始時 右:30時間後)
事故を防ぐポイント2
- 「水で膨らむボール(吸水性合成樹脂製玩具)」は、消費生活用製品安全法の特定製品(PSC)の指定※となります。
- 購入時にはPSCマークの表示を確認するようにしましょう。
ただし、経過措置期間中(令和5年6月19日から令和5年12月18日)は、PSCマークが表示された製品と表示されていない製品が混在するため注意が必要です。その場合でも、PSCマークが付された適正な製品を選びましょう。 - 適正な製品には、事業者名称や以下の内容の注意事項等も表示されています。
1.満3歳に満たない乳幼児に使わせないこと
2.満3歳に満たない乳幼児の手が届かないところに保管すること
3.子供が万が一誤飲した場合には、速やかに医師の指示を受けること
※消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令
令和5年5月19日公布
令和5年6月19日施行(6ヶ月間の経過措置期間有)
(令和5年12月19日以降は技術基準を満たしPSCマークが表示されたものでなければ市場での販売が出来なくなります。)
なお、「マグネットセット(磁石製娯楽用品)」についても同政令の指定対象となります。「マグネットセット」とは、複数の球体又は立方体のネオジム磁石等で構成され、組み合わせる事で、様々な造形をするなどの娯楽目的で使用される製品です。
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(参考)マグネットセット |
参考
- 子供の安全のため玩具への新たな規制が導入されます
経済産業省(令和5年5月16日) - 飲んだのは、小さな“時限爆弾”~体内でくっつく・膨らむ「こどもの誤飲事故」に注意~
独立行政法人製品評価技術基盤機構:NITE(令和5年5月16日) - 公益社団法人日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)