立川の夏に響く、こどもたちの声【東京都防犯ネットワーク】

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7月下旬から8月上旬にかけて立川市を訪れた方は、もしかしたら、セミの声にも負けず街中に響くこどもたちの声を耳にしたことがあるかもしれません。その声の主は、防犯や交通安全を呼び掛けながら地域を巡る「たちかわキッズパトロール隊」のこどもたちです。
立川市では、市職員による青色防犯パトロールを年間約180日実施しています。その取組の一環として、夏休み期間中の約2週間は、市内の小学5・6年生が青色防犯パトロールカーに同乗し、市民に向けて防犯や交通安全などを呼び掛けます。
平成23年に始まったこの取組は、今年で16年目。今では、こどもたちの元気な声が街中に響く、立川の夏の恒例行事の一つとなっています。

今回は、長年にわたり続けられてきた「たちかわキッズパトロール隊」の活動内容や、そこに込められた思いについて、立川市危機管理課の大串勝美さん、小谷佳蓮さんにお話を伺いました。

 

立川市危機管理課 大串勝美さん
立川市危機管理課 大串勝美さん

 

 

立川市危機管理課 小谷佳蓮さん
立川市危機管理課 小谷佳蓮さん

 

 

 

こどもたちに、防犯を楽しく学べる体験を

「たちかわキッズパトロール隊」が始まったのは平成23年。当時、立川市の生活安全課(現:危機管理課)で防犯業務を担当していた大串さんは、活動の立ち上げに携わった一人です。
きっかけは、課内で「夏休みに、こどもたちが楽しみながら防犯について学べる活動ができないか」というアイデアが出たことでした。日頃から市が実施している青色防犯パトロール活動の機会を活用して、こどもたちが青色防犯パトロールカーに同乗して普段生活している地域を巡りながら、こどもたち自身の声で防犯を呼び掛ける体験型の取組を企画。立川警察署などの協力も得ながら準備を進め、平成23年に第1回の「たちかわキッズパトロール隊」が誕生しました。
「夏休みの楽しい思い出になるだけでなく、防犯について学び、自分たちの住む地域に目を向けたり、学校の枠を越えた交流のきっかけになればという思いがありました」と大串さん。
こうして始まった活動は、立川の夏の風物詩として毎年受け継がれています。

 

たちかわキッズパトロール隊は、“体験型学習”として定着しているそうです
たちかわキッズパトロール隊は、“体験型学習”として定着しているそうです

 

 

自分が暮らす地域を、「見守る側」の目線で

「たちかわキッズパトロール隊」の対象学年は、市内の小学5・6年生。毎年、募集を始めるとすぐに定員に達するほど人気の企画で、令和8年度は11組22名が参加しました。
こどもたちは入隊式で隊員証を受け取り、防犯について学んだ後、夏休み期間中に2人1組となって、市職員が運転する青色防犯パトロールカーに同乗し、市内を巡回します。
パトロールでは、隊員たちが車内のマイクを使って、特殊詐欺や不審者、自転車盗難への注意、交通安全などを自分たちの声で市民に呼び掛けます。巡回するのは、自分たちが通う学校や自宅周辺など、普段から慣れ親しんでいる地域が中心。広報する内容の一部は、隊員たち自身で考えます。
いつもは大人に見守られながら通学したり、友達と遊んだりしている地域も、青パトの中から「見守る側」として眺めると、見え方が少し変わります。街を行き交う人や自転車、道路や公園の様子に目を向け、自分たちが暮らす地域の安全について考える――。楽しみながら防犯を学び、実際の見守り活動まで体験できることが、この活動の大きな特徴です。

 

小谷さんは、募集を始めるとすぐに定員に達するほどの関心の高さに驚いたそうです
小谷さんは、募集を始めるとすぐに定員に達するほどの関心の高さに驚いたそうです

 

 

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【令和8年度「たちかわキッズパトロール隊」の活動】

令和8年度は、7月12日の入隊式を皮切りに、7月27日から7月29日まで、8月3日から8月5日までの計6日間、パトロールを実施しました。入隊式や、隊員たちが青色防犯パトロールカーに乗って市内を巡回する様子は、立川市ホームページで紹介しています。
令和8年度の活動の様子はこちら
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こどもの声だから、大人にも届く

キッズパトロールのもう一つの特徴は、隊員たち自身の声で市民に呼び掛けることです。
普段の青色防犯パトロールの広報ではなかなか耳を傾けてもらえなくても、こどもたちの声が聞こえると足を止めたり、手を振って応えてくれたりすることがあるといいます。時には、率直な呼び掛けを受けて、その場で行動を改める人の姿も。

“こどもの声だからこそ、大人の心に届く――。”

 

活動を重ねる中で、お二人ともその力を実感しています
活動を重ねる中で、お二人ともその力を実感しています

 

そして、街の人たちから返ってくる反応は、隊員たち自身にも変化をもたらします。
最初は用意された原稿を読むだけで精いっぱいな様子の隊員も、パトロールを進めるうちに気持ちにも余裕が出てきて周囲へ目を向けられるようになります。「今は自転車が多いから、自転車の注意を呼び掛けよう」と自分で考えるなど、次第に「自分たちが地域を見守っている」という意識が芽生えてくるそうです。
今年度、初めてキッズパトロールを担当した小谷さんにとって、そんな隊員たちや市民の反応は、新鮮な驚きの連続だったといいます。楽しみながら参加していたこどもたちが、次第に周囲の様子に目を向け、自分で考え、自分の声で街の人に呼び掛けていく。そして、その声に大人たちが足を止め、手を振って応え、自らの行動を改めてくれる――。

そんな光景を目の当たりにし、小谷さん自身も、こどもたちと一緒に実施するこの活動の魅力をあらためて発見していったようです。

 

この活動を語る小谷さんには、自然と笑顔があふれていました
この活動を語る小谷さんには、自然と笑顔があふれていました

 

 

この夏の体験を、未来へ

長く続いてきた活動だからこそ、その形を守るだけでなく、これからもこどもたちが楽しみながら参加できる取組として育てていきたい――。担当するお二人は、そんな思いを抱いています。

小谷さんは、「参加したいと思ったこどもたちが、できるだけ参加できるよう工夫していきたいです。毎年少しずつ新しい楽しさも加えながら、思い出に残る活動にしていけたらと思います」と、今後をしっかりと見据えます。

一方、活動の立ち上げから携わってきた大串さんは、防犯について学ぶことだけが、この取組の意義ではないと感じています。

「防犯活動を体験することで、自分のことだけでなく、周りの人や地域を思いやる気持ちも育ってほしいですね。そして、立川で続いてきたこの取組をきっかけに、同じような活動が東京都全域に広がってくれたらうれしいです」

 

大串さんは、「東京中に広がってほしい」と夢を語ってくれました
大串さんは、「東京中に広がってほしい」と夢を語ってくれました

 

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夏休み期間に活動する青パトのスピーカーから街へ届けられる、こどもたちの元気な声。
その声は地域の人たちに防犯を呼び掛けると同時に、こどもたち自身が、自分の暮らす街やそこに住む人を思いやる気持ちを育むきっかけにもなっています。
立川の夏に響くその声から、地域を思いやる小さな輪が生まれ、やがて東京の街へと広がっていく――。
そんな未来につながることを期待しています。

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