不動産取引に関する相談及び指導等の概要
不動産取引に関する相談及び指導等の概要(令和5年度)の公表について
住宅政策本部では、住宅市場の透明性の向上や不動産取引の適正化とともに、消費者の利益保護を推進するための取組を行っています。その一環として、都に寄せられた不動産取引に関する相談及び都が宅地建物取引業法(以下「宅建業法」という。)に基づき宅地建物取引業者(以下「宅建業者」という。)に行った指導等の概要を公表しています。
この度、令和5年度の相談や指導等の概要をとりまとめましたので、公表いたします。
1 消費者相談
- 相談窓口における受付件数は、過去5年間、毎年2万件前後で推移している。令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況が続く中にあって、「電話による相談」の割合が増加していたが、令和5年度は行動制限が解除され、当課の相談窓口が新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の運用に戻ったことから、「面談による相談」の件数が増加し、「電話による相談」の割合は低下した。
- 相談の多くを占める「電話による相談」では、過去5年間を通じて、売買では「契約前相談【注】」や「契約解除」に関する相談が多く、賃貸借では「敷金(原状回復)」や「重要事項説明・契約内容」に関する相談が多くを占めている。
- 不動産取引に不慣れな高齢者にとっては取引判断が難しい投資用物件の購入やリースバックなどの相談が増えている。
- サブリースを利用した不動産投資が増えているが、それに伴いサブリース契約に関するトラブルの相談が増えている。
【注】「契約前相談」とは、取引をする上での一般的な注意事項などを事前予防的な相談のことを指す。
(1)消費者からの相談件数
※数字は、電話による相談件数と窓口と面談による相談件数の合計である。
(2)消費者からの相談内容
「面談による相談」における主な相談内容(令和5年度)
順位 | 売買に関する相談(全102件) | 賃貸借に関する相談(全308件) | ||
---|---|---|---|---|
1 | 重要事項説明 | 33件 | 重要事項説明・契約内容 | 102件 |
2 | 契約内容 | 16件 | 敷金(原状回復) | 83件 |
3 | 契約の解除 | 11件 | 契約更新 | 29件 |
「電話による相談」における主な相談内容(令和5年度)
順位 | 売買に関する相談(全3,520件) | 賃貸借に関する相談(全15,617件) | ||
---|---|---|---|---|
1 | 契約内容 | 583件 | 敷金(原状回復) | 3,516件 |
2 | 契約前相談 | 518件 | 重要事項説明・契約内容 | 2,705件 |
3 | 契約の解除 | 359件 | 管理(設備の瑕疵等) | 2,495件 |
※その他の相談(不動産取引以外の相談等)を除く。
安心安全な不動産取引のための取組について
- 「よくわからないまま投資用不動産を購入してしまった…。」
- 「宅建業者から何度断っても毎日勧誘電話が続く・深夜になっても帰ってくれない。」
- 「自宅を売却後、引き続き居住したいけど、リースバックで気を付けるべきことは?」
- 「投資用不動産を購入してサブリースで貸出すが、気を付けるべきことは?」
都民の方から上記のような相談・悩みが日々、寄せられています。
東京都では、安心安全な不動産取引のため、様々な相談窓口を設けています。
本年3月に、相談窓口とよくある相談事例についてまとめたリーフレットを作成しました。
各記載内容の詳細についてはホームページでも解説されておりますので、ご参照ください。
2 宅建業者に対する指導監督等
- 宅建業者の適正な業務運営と公正な取引の確保を図るため、消費者への注意喚起などの啓発とともに、宅建業者に対する適切な指導監督に取り組んだ。
(1)令和5年度の行政処分及び指導等の状況
行政処分及び指導等の区分(全86件) | |
---|---|
免許取消 | 18件 |
業務停止 | 14件 |
指示処分 | 11件 |
指導勧告 | 43件 |
(2)不動産取引に関して宅建業者に行った主な処分事例(令和5年度)
- 宅建業者が自ら売主として売買契約を締結するに当たり、契約が成立するまでの間に宅地建物取引士に重要事項説明書を説明させなかった。→業務停止7日間
- 宅建業者が、買受予定者からの預り金を受領し、その後買受予定者から契約の申し込みの撤回を受け、預り金の返還を請求されたにもかかわらず、その返還を拒んだ。→指示処分