多摩動物公園 タスマニアデビルが死亡
多摩動物公園情報 日本国内で唯一の個体タスマニアデビル「テイマー」が死亡しました
多摩動物公園(園長 渡部浩文)において、このたびタスマニアデビルの「テイマー」(オス)が死亡しましたのでお知らせします。
1.死亡したタスマニアデビル
名前
テイマー
性別
オス
年齢
7歳
生年月日
2016年4月19日
死亡日
2023年10月13日(金曜日)
タスマニアデビル「テイマー」
(2023年8月30日撮影)
2.経緯
2022年夏より下半身が大きくよろめく症状が出始めました。検査を行い、必要な治療、飼育環境の改善やケアに努めてきましたが、自力で起きあがることや寝返りを打つことが難しくなり、10月10日より療養のため展示を中止しました。10月13日には前日より体位が変わっていないことや腰などに褥瘡(じょくそう)が見られはじめたことから、今後著しく苦痛が増大していく状況と判断し、大変残念でありますが、やむを得ず、安楽死処置を行いました。
処置後、すみやかに解剖を行ったところ、肉眼では臓器に異常は認められませんでした。昨年夏から少しずつ悪化していった後肢運動失調の原因については、今後、病理組織学的検査を行い精査します。
3.日本国内の飼育状況(2023年10月16日現在)
0頭 ※国内では当園でのみの飼育でした。
参考
タスマニアデビル(フクロネコ目 フクロネコ科)
IUCNレッドリスト:EN(絶滅危惧種1B類)
※「1B類」の数字の正しい表記はローマ数字です。
学名
Sarcophilus harrisii
英名
Tasmanian devil
分布
オーストラリア(タスマニア島)
生態等
現存する肉食性有袋類としては世界最大種で、頭胴長は約60センチメートル、尾の長さは約25センチメートル。かつてはオーストラリア本土にも生息していましたが、現在はタスマニア島のみに分布しています。家畜を襲う害獣としての疑いから駆除対象になり数を減らしましたが、その後、保護法のもと少しずつ生息数が回復していました。しかし、伝染性及び致死率の高い「タスマニアデビル顔面腫瘍病(DFTD)」が蔓延し、再び数を減らしています。夜行性で、ワラビーなどの動物の死体を集団で食べる習性があります。黒い体色と、集団でエサを食べる際に発する鳴き声から、「デビル」と呼ばれたとされています。