東京の植物相を明らかにするために「東京いきもの台帳」植物の標本情報を公表!

都庁総合

東京都では、ネイチャーポジティブの実現に向けて、都内の野生生物情報が一目でわかるデジタル版野生生物目録「東京いきもの台帳」の作成を進めています。
このたび、東京の植物相の解明に向けた第一歩として、植物の標本情報115,840件を公表します。今後は、標本のほか、文献や市民科学調査、専門家調査により情報の蓄積・公表を進めていきます。
また、どなたでも参加できるスマホアプリ「Biome(バイオーム)」を活用した新たないきもの調査イベントの開始についてもあわせてお知らせします。

1 東京産植物の標本情報を公表

標本情報は、「いつ、どこで、どんな植物が生育していたのか」を把握する上での確かな証拠となるため、東京の自然環境の状況を把握するにあたって、特に重要な情報と言えます。今回は、都内にある複数の施設の情報をもとに、東京に生育していた植物の標本情報の一部である、115,840件、4,179種を公開しています(2025年12月時点)。確認された中で最も古いものは、1873年に武蔵小河内(現在の奥多摩町)で採集された「シシウド」の標本でした。

東京いきもの台帳

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ここがポイント!標本から読み解く東京の過去の自然環境

今では若者文化の発信地であり商業施設が立ち並ぶ渋谷ですが、130年程前は草花が茂るのどかな田園でした。「東京いきもの台帳」にも当時の渋谷で採集された数多くの種類の標本が収録されています。その中には、日当たりの良い湿った草地を好む「レンリソウ」というマメ科の多年草があります。
現在、東京都のレッドリスト【注1】では「レンリソウ」は、区部で「絶滅(EX)」と評価されていますが、当時の渋谷には、「レンリソウ」が生育可能な自然環境があったことを示しています。

【注1】東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2020年見直し版

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明治30年代の宇田川上流こうほね川周辺(現在の渋谷区代々木周辺)の風景(渋谷区郷土資料博物館提供)
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1899年渋谷で採集された「レンリソウ」の標本(東京都立大学牧野標本館所蔵)

2 「東京の鳥」や「外来種」をテーマにした新たな調査イベントを開始

デジタル版野生生物目録「東京いきもの台帳」を作成する市民参加による取組として、スマートフォンアプリ「Biome」で、新たな調査イベント(クエスト【注2】)を開始します。スマートフォンを持って、冬のいきものを探しに出かけてみませんか。

【注2】クエストとは「Biome」アプリ上で、テーマに沿って選ばれたいきものを野外で見つけ、写真を撮影・投稿する、ゲーム感覚で生物調査を楽しめる機能です。

調査期間

2025年12月16日(火曜日)正午から2026年2月28日(土曜日)まで

対象エリア

東京都内

参加方法

スマホアプリ「Biome(バイオーム)」にて対象種を投稿
詳しい参加方法は公式ホームページ

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鳥類をテーマにしたクエスト
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外来種をテーマにしたクエスト

参考 「東京いきもの調査団」とは

東京都ではデジタル版野生生物目録作成プロジェクトの一環として、2023年度に「東京いきもの調査団」を立ち上げました。有識者が調査を行う専門調査団のほか、スマホアプリ「Biome(バイオーム)」などを活用することにより、誰もがいつでも東京のいきもの調査に参加することができる市民調査団により構成されています。

参考 東京いきもの調査団植物目録作成事務局 「東京都立大学牧野標本館」

変化の著しい東京の植物を把握することは容易ではないことから、東京都は、令和6年度(2024年度)より、デジタル版野生植物目録作成のための事務局を東京都立大学牧野標本館に設置しました。他の分類群と同様に標本・文献・市民科学調査での情報収集を進めるほか、植物については専門家による現地調査(フロラ調査)を実施し、最新の自然の実態の記録を進め、都内の植物相の解明に向けて情報を蓄積しています。
東京いきもの台帳植物分野の最新情報をお届けするため東京都と事務局でニュースレター「TOKYOENCE」を発行しています。是非、ご覧ください。

ホームページ

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参考 株式会社バイオームについて

所在地

京都府京都市下京区中堂寺南町134番ASTEMビル8階

代表者

代表取締役 藤木庄五郎

設立

2017年5月31日

事業内容

生物情報アプリ開発・運営、生物情報システムの提供

※東京都は2023年7月、株式会社バイオームと「DXを活用した都民参加型生きもの情報収集蓄積に関する基本協定」を締結しています。

ホームページ(外部サイトにリンク)

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本件は、「2050東京戦略」を推進する取組です。
戦略19 水と緑「生物多様性の保全」

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