2024(令和6)年度 大気汚染状況の測定結果について

都庁総合
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東京都及び八王子市は、都内の大気汚染の状況を把握するため、大気汚染防止法に基づき、住宅地域等に設置している一般環境大気測定局(以下「一般局」という。)47局と、道路沿道に設置している自動車排出ガス測定局(以下「自排局」という。)35局で大気汚染状況の常時監視を行っています。
また、ベンゼン、トリクロロエチレン等28物質の有害大気汚染物質の濃度を把握するため、月1回14か所の測定局で調査しています。
このたび、2024(令和6)年度の測定結果がまとまりましたので、お知らせします。

1 環境基準等の達成状況(表1、図1)

(1)二酸化窒素(NO2)

  • 2018年度以降、全ての測定局で達成しています。

(2)浮遊粒子状物質(SPM)

  • 2014年度以降、全ての測定局で達成しています。

(3)微小粒子状物質(PM2.5)

  • 2019年度以降、全ての測定局で達成しています。
  • 都が「2050東京戦略」で定めた目標【注1】を、79局のうち75局で達成しました(表3、図3)。

【注1】2026年度までに、各測定局の年平均10マイクログラム/立法メートル以下

(4)光化学オキシダント(Ox)

  • 全ての測定局において達成しませんでした。
  • 都が「2050東京戦略」で定めた目標【注2】についても、全ての測定局において達成しませんでした(表5)。

【注2】2030年度までに、各測定局の年間4番目に高い日最高8時間値の3年平均0.07ppm以下

(5)二酸化硫黄(SO2)、一酸化炭素(CO)

  • 1988年度以降、全ての測定局で達成しています(2000年度の三宅島噴火による影響を除く。)。

(6)ベンゼン(Bz)、トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)及びジクロロメタン(DCM)

  • 2004年度以降、全ての測定局で達成しています。

2 年平均濃度の経年変化(図2)

(1)二酸化窒素(NO2)

  • 一般局、自排局ともに引き続き低下傾向を示しています。

(2)浮遊粒子状物質(SPM)

  • 一般局、自排局ともに引き続き低下傾向を示しています。自排局の低減が進み、一般局との濃度差が少ない状況が続いています。これはディーゼル車規制の効果と考えられます。

(3)微小粒子状物質(PM2.5)

  • 2015年度以降低下傾向が見られます。

(4)光化学オキシダント(Ox)

  • 年度による変動はあるもののここ数年は増加傾向がみられます。

3 測定結果から見た大気環境の特徴と課題

(1)二酸化窒素(NO2)

一般局では2006年度以降、全ての測定局で環境基準を達成しています。自排局でも2010年度以降は達成率が90%以上で推移し、2018年度以降は100%となりました(図1)。
継続して全ての測定局で環境基準が達成できるように、都では自動車排出ガス対策、法令の規制対象外である小規模燃焼機器の排ガス対策等に引き続き取り組んでいきます。

(2)浮遊粒子状物質(SPM)

2004年度以降は気象的な要因を除き、おおむね環境基準を達成しており改善が大幅に進んでいます(図1)。
継続して全ての測定局で環境基準が達成できるように、都では、工場などの固定発生源対策やディーゼル車対策に引き続き取り組んでいきます。

(3)微小粒子状物質(PM2.5)

環境基準の達成状況をみると、一般局では2018年度以降、自排局では2019年度以降に全ての測定局で環境基準を達成しています(図1)。
2024年度の年平均濃度は、一般局が8.8マイクログラム/立方メートル、自排局が9.3マイクログラム/立方メートル、全測定局で9.0マイクログラム/立方メートルであり、2015年度以降低下傾向が見られます(表2、表3)。
都は、「2050東京戦略」で設定した政策目標【注1】の達成に向けて、工場などの固定発生源対策やディーゼル車対策に引き続き取り組むとともに、大気中で二次的に生成するPM2.5の原因物質(揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物(NOx)等)の排出削減対策に、国や近隣自治体と連携して取り組んでいきます。

(4)光化学オキシダント(Ox)

夏季の光化学スモッグ注意報発令日数は15日でした(図4、表4)。光化学スモッグによる被害の届出はありませんでした(表4)。
0.12ppm以上の高濃度となった時間数は、増減はあるものの、おおむね2000年度頃からの減少傾向は変わらず、低下する傾向にあります(図5)。
また、年間4番目に高い日最高8時間値の3年平均値は、全測定局平均値では長期的には減少傾向にありますが、ここ数年は増加傾向がみられます。目標の0.070ppm以下に対しては、2024年度は、最も低い測定局は0.077ppmでした(表5、図6)。
都は、「2050東京戦略」で設定した政策目標【注2】の達成に向け、光化学オキシダントの原因物質の排出削減対策に加え、国や近隣自治体と連携した発生メカニズムの解明や対策にも取り組んでいきます。

表1 環境基準の達成状況

 

項目
 
一般局【注3】(Ambient St.) 自排局【注4】(Roadside St.)
2024年度 (参考)2023年度 2024年度 (参考)2023年度
達成局数/測定局数 達成率(%) 達成局数/測定局数 達成率(%) 達成局数/測定局数 達成率(%) 達成局数/測定局数 達成率(%)
二酸化窒素(NO2) 42/42 100 42/42 100 33/33 100 33/33 100
浮遊粒子状物質(SPM) 46/46 100 45/45 100 33/33 100 33/33 100
微小粒子状物質(PM2.5) 46/46 100 45/45 100 33/33 100 33/33 100
光化学オキシダント(Ox) 0/40 0 0/39 0 - - - -
二酸化硫黄(SO2) 19/19 100 19/19 100 5/5 100 5/5 100
一酸化炭素(CO) 10/10 100 10/10 100 16/16 100 16/16 100
ベンゼン(Bz) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100
トリクロロエチレン(TCE) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100
テトラクロロエチレン(PCE) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100
ジクロロメタン(DCM) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100

【注3】一般局の局数については、令和6年4月から7年3月まで休止している世田谷区世田谷局の1局を除いている。ただし、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンについては、大田区東糀谷局に代えて大田区羽田地域力推進センターで測定を実施し、環境基準の評価対象としている。
【注4】自排局の局数については、休止中の玉川通り上馬局(令和6年9月からPM2.5のみ測定再開)及び早稲田通り下井草局の2局を除いている。

表2 大気汚染物質の年平均濃度

(単位:ppm ただし、浮遊粒子状物質、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンはミリグラム/立方メートル、微小粒子状物質はマイクログラム/立方メートル)

項目 一般局(Ambient St.) 自排局(Roadside St.)
[環境基準【注5】] 2024年度 (参考)2023年度 2024年度 (参考)2023年度
二酸化窒素(NO2)[0.06] 0.011 0.012 0.016 0.017
浮遊粒子状物質(SPM)[0.10] 0.013 0.013 0.014 0.015
微小粒子状物質(PM2.5)[15] 8.8 8.8 9.3 9.2
光化学オキシダント(Ox)【注6】[0.06] 0.036 0.034 -- --
二酸化硫黄(SO2)[0.04] 0.001 0.001 0.001 0.001
一酸化炭素(CO)[10] 0.3 0.3 0.3 0.3
ベンゼン(Bz)[0.003] 0.00070 0.00080 0.00071 0.00098
トリクロロエチレン(TCE)[0.13] 0.00074 0.00076 0.00090 0.0011
テトラクロロエチレン(PCE)[0.2] 0.00015 0.00015 0.00014 0.00016
ジクロロメタン(DCM)[0.15] 0.0020 0.0016 0.0016 0.0015

【注5】 各項目の環境基準については、必ずしも年平均値として評価するわけではない(参考資料5)。
【注6】 光化学オキシダントは5時00分~20時00分の平均値である。

図1(PDF:127KB)
図2(PDF:141KB)
表3、図3(PDF:143KB)
図4+図5表4(PDF:239KB)
表5図6(PDF:169KB)
参考資料目次(PDF:91KB)
参考資料1(PDF:173KB)
参考資料2(PDF:203KB)
参考資料3(PDF:158KB)
参考資料4(PDF:201KB)
参考資料5(PDF:217KB)
参考資料6(PDF:235KB)

環境局公式ホームページ

本件は、「2050東京戦略」を推進する事業です。
戦略20 ゼロエミッション「9.気候変動適応策の強化」

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