【東京都立大学】シリーズ 卒業生は今…! Vol.10 Chenwei Leeさん(レノボ・ジャパン合同会社)
Chenwei Leeさん(レノボ・ジャパン合同会社)
本学を卒業し、社会で活躍する先輩の皆さんにお話を伺うシリーズ企画「卒業生は今…!」。在学時代の学びや学生生活、大学での経験と今のご自身とのつながりなどを紹介します。


Chenwei Lee(リシンビ)
首都大学東京都市教養学部都市教養学科人文・社会系国際文化コース(当時)卒業後。 2017年アデコ株式会社入社後、2019年RGFタレントソリューションズ株式会社を経て、2024年よりレノボ・ジャパン合同会社にてSenior Strategic Talent Acquisition Advisorとして勤務。
「グローバル×Human」を軸に、
自分の人生をデザインし、人の幸せを支える
在学中はどのような学生生活を送っていましたか?
2011年5月、東日本大震災の直後に中国・揚州市から来日しました。留学を志した理由は、異なる社会制度や価値観の中で生活し、広い視野を持ちたいと思ったからです。安定した環境よりも異文化に身を置き、自分の言葉や考えを深めたいという思いがありました。また、孫文や魯迅が日本で思想を育んだことに興味を持ち、自分も異なる社会で新たな視点を得たいと思いました。留学前は日本に批判的な印象もありましたが、「他人の言葉ではなく、自分の目で確かめたい」という思いが強くなり、日本への留学を決意しました。
都立大を選んだ理由は、学費などの経済的負担が比較的少なく、奨学金や留学制度が整っている点に魅力を感じたからです。文系・理系を問わず学問の水準が高く、幅広い教養科目を通じて社会や世界について学べる環境が整っていることも大きな理由でした。オープンキャンパスで感じた教員の丁寧さと熱意も決め手となり、入学後もその印象は変わりませんでした。
学生時代は哲学を専攻し、マイケル・サンデル教授の「白熱教室」に影響を受け、人間の在り方について深く考えるようになりました。国際交流、ボランティア、インターン、アルバイトなど多様な経験を通じて、自分の知らなかった一面に何度も気づかされました。その中で「グローバル×ヒューマン」を軸に、ビジネスの世界で力を試す方向性を見出しました。
日本に対する印象はどのように変化しましたか?
日本に来てから、物事を分けて考える視点が身につき、見方が大きく変わりました。日本の国民性についても、実際に多くの人と関わる中で深く理解できたと思います。自然や共存を重んじる文化、相手を尊重する姿勢などに深く共感することができました。偏見や誤解によって距離を置かれることや、うまくコミュニケーションが取れない場面もありましたが、その中でも多くの人が変わらず温かく接してくれました。いろいろな背景や考え方を持つ人たちと関わる中で、人の考え方への理解も深まり自分と異なる価値観とどう向き合うかについても多くを学びました。
現在の具体的なお仕事内容を教えてください
現在は、レノボ・ジャパン合同会社で主な役割は、採用戦略の推進です。具体的には、中途・新卒採用の要件定義から募集要項作成、スカウティング、面接までを一貫して担当し、採用の内製化によるコスト削減と優秀人材の確保に取り組んでいます。また、イベントや社員インタビュー記事の作成発信を行い、採用ブランディングにも力を入れ、企業の魅力を外部に伝えています。さらに、グローバルチームと連携し、採用プロセスの改善や可視化を進めています。入社1年で大幅なコスト削減を実現し、今年10月には世界的なMVT賞を受賞しました。前職ではヘッドハンターとして活躍し、現在はスキルだけでなくカルチャー適性やキャリアビジョンも重視した採用を行っています。

大学での経験が現在の仕事にどう活かされていますか?
哲学の学びや多様な経験を通じて培った論理的思考力や本質を見極める姿勢は、現在の仕事にも活きています。人の意図をくみ取り、課題を整理し、対話を通じて最適な解決策を導く力は、探究の積み重ねから得たものです。大学時代は言語面で苦労しながらも、日本人学生と同じ土俵で議論できる力を身に付けました。都立大の先生方は、学問的に卓越しているだけでなく、人としても温かく、困ったときにはいつも親身に支えてくださいました。
そして何よりも大切だったのは「人とのつながり」です。大学時代に出会った友人たちは、今でも家族のようにかけがえのない存在です。
多様な体験が人生の財産
後輩へ送る等身大のエール

今後の目標を教えてください。
心身ともに充実した人生を送り、家族や友人と過ごす幸せな瞬間を増やしていきたいと考えています。そのためには、経済的な安定や体力を確保することに加え、仕事以外でも情熱を注げる分野を見つけることが大切だと思いますし、自分にとって本当に価値があり、楽しさを感じられる時間を大切にしたいと考えています。
最後に後輩や受験生へのメッセージをお願いします。
キャリア形成については、二つのパターンがあると思います。自分のやりたいことが明確な人は、それを突き詰めればいい。しかし、多くの人は、目の前のことに丁寧に向き合いながら、挑戦・失敗・学びを繰り返し、少しずつ自分の道を見つけていくものです。大切なのは、無理をしすぎず、限界を感じたら素直に助けを求めること。僕にとって都立大での経験は、社会人格形成とキャリアの出発点として「1000%役立っている」と胸を張って言えます。都立大は、今も心の拠り所であり、“もうひとつの実家”のような存在です。