令和4年度 東京都がん予防・検診等実態調査
2023年04月24日 福祉保健局
「令和4年度 東京都がん予防・検診等実態調査」の結果をまとめました
東京都では、平成30年3月に策定した「東京都がん対策推進計画(第二次改定)」に基づき、がんの予防や早期発見に取り組んでいます。このたび、取組の評価や推進、さらなる施策の展開に向け、都民のがん予防に関する意識やがん検診の受診状況、都内事業所及び健康保険組合におけるがん検診の実施状況やがん予防に向けた取組等の実態を把握するため、「令和4年度東京都がん予防・検診等実態調査」を実施し、調査結果を取りまとめましたので、お知らせします。
1 調査の概要
(1)都民を対象とした調査(都民のがん予防・検診に関する意識調査)
調査対象
令和4年3月31日現在、都全域(島しょ地域を除く。)に住所がある満40歳以上の男性及び満20歳以上の女性
標本の大きさ
15,000人(男性5,871人、女性9,129人)
調査方法
郵送配布・郵送回収またはインターネットによる回答
調査期間
令和4年12月7日から令和5年1月4日まで
回収率
41.1%
(2)都内事業所・健康保険組合を対象とした調査(職域におけるがん予防・検診等に関する調査)
調査対象
令和4年3月31日現在、都全域(島しょ地域を除く。)に所在地がある事業所及び本部を有する健康保険組合
標本の大きさ
事業所3,300事業所、健康保険組合100組合
調査方法
郵送配布・郵送回収またはインターネットによる回答
調査期間
令和4年12月7日から令和5年1月4日まで
回収率
事業所16.1%、健康保険組合39.0%
2 調査結果の公表
調査結果の概要版(別紙(PDF:851KB))
報告書全文は福祉保健局ホームページに掲載しています。
調査結果のポイント
1 都民を対象とした調査(都民のがん予防・検診等に関する意識調査)
(1)都民のがん検診の受診率
いずれのがん検診でも受診率が5割を超えている。
- 胃がん検診 60.2%
- 大腸がん検診 61.3%
- 肺がん検診 59.1%
- 乳がん検診 64.4%
- 子宮頸がん検診 60.0%
※国が指針で定める対象者に該当する回答者の総数に占める受診者数の割合により算出しています。
(詳しくは(参考)をご覧ください。)
「東京都がん対策推進計画(第二次改定)」では、各がん検診の受診率50%を目標値としています。
(2)がん検診の受診状況
各がん検診とも「勤め先で実施されたがん検診」での受診者が最も多い。
(3)がん検診を受診しなかった理由
- 各がん検診とも「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」、「健康診断や人間ドックの項目・内容に含まれていなかったから」、「面倒だったから」が上位3位以内に入っている。
- 「検診機関に行くことに対して新型コロナウイルス感染症の不安があったから」がいずれのがん検診においても4位または5位に続いている。
(4)「日本人のためのがん予防法」の予防法別認知度と普段から心がけていること
予防法として知っていたものと普段から心がけていることの第1位は、ともに「たばこは吸わない」であった。
2 都内事業所・健康保険組合を対象とした調査(職域におけるがん予防・検診等に関する調査)
事業所調査
(1)都内事業所の正社員へのがん検診の実施率
胃がん・肺がん検診は6割台、大腸がん・乳がん検診は5割台、子宮頸がん検診は4割台となっている。
- 胃がん検診 63.9%
- 大腸がん検診 58.6%
- 肺がん検診 63.0%
- 乳がん検診 54.1%
- 子宮頸がん検診 47.7%
(2)新型コロナウイルス感染症による正社員に対するがん検診実施体制への影響
各がん検診とも「変化なし」が7割台となっている。
健康保険組合調査
新型コロナウイルス感染症による組合員に対するがん検診実施体制への影響
- 各がん検診とも「変化なし」が8割台となっている。
(参考)国が指針で定めるがん検診
がん検診は、がんによる死亡率が減少する効果があると科学的に評価された実施方法により適切に行われることが重要です。国は、がん検診の適切な対象者や受診間隔等を指針【注】で定めており、区市町村における対策型検診(住民検診)は、当指針に沿って実施される必要があります。
【注】がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(厚生労働省健康局長通知別添、令和3年10月1日一部改正)
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
胃がん検診 | 問診に加え、胃部X線検査または胃内視鏡検査のいずれか | 50歳以上 ※当分の間、胃部X線検査については40歳以上に対し実施可 |
2年に1回 ※当分の間、胃部X線検査については年1回実施可 |
大腸がん検診 | 問診及び便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
肺がん検診 | 質問(医師が自ら対面により行う場合は問診)及び胸部X線検査 50歳以上の喫煙指数(1日に吸うたばこの本数×喫煙している年数)600以上の者は喀痰細胞診併用 |
||
乳がん検診 | 質問(医師が自ら対面により行う場合は問診)及び乳房X線検査(マンモグラフィ) | 40歳以上の女性 | 2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部の細胞診及び内診 | 20歳以上の女性 |