ダイバーが確保できない・・・水中ドローンを用いた点検効率化に向けて
改めまして、「光ファイバーケーブル」が何のためにあるか知っていますか?
みなさんの身近にあるスマホの動画視聴やゲームに必要な大量のデータ送受信から、病院・学校や飛行機・船・鉄道などライフラインを支えるシステムまで、必要な通信を担っているものです。
特に、「海底光ファイバーケーブル」(以下、海底ケーブル)は、国内外の通信をつなぐ非常に重要なインフラです。AIの普及も進み、ますます通信なしでは生活ができない今、都が所有している海底ケーブルを断線なく守っていくことが、私たち、つながる東京推進担当の役割です。
そこで、私たちは、島しょ間の海底ケーブル断線につながりかねない損傷を発見するため定期点検を行っています。現地ではダイバーが海に潜り、海流や海底の岩礁によってケーブルが削られたりしていないかなどを確認しています。
近年、作業環境の厳しさや高齢化によりダイバーは減少しています。一方で、世界各地で海底ケーブルの敷設が進んでおり、作業船やダイバーの確保が年々難しくなっています。こうした課題に対して、都は2023年から、水中ドローンによる作業効率化を進めてきました。
ドローンによる点検は、ダイバー点検のような潜水時間の制約がありません。また、ダイバー点検では、船の調達やダイバーとの日程調整に時間を要しますが、ドローン点検は日程調整に比較的自由度があります。
今回、本格運用を始めた水中ドローンによる点検について、現場の取組状況をお伝えします!
⛵水中ドローンについて
水中ドローン(以下、ドローン)は、実証実験を経て以下の条件を満たす機種を使用しました。
①小型軽量で、取り回しが容易であること
②海底ケーブルの状態を詳細に確認するため、鮮明な映像を取得できること
今回、予期せぬ事態が発生しましたが、思わぬメリット(?)もありましたので合わせてご紹介します!
⛵ドローンによる海底ケーブルの点検
海底ケーブルの点検は、波浪の影響を大きく受ける水深30mの海底から、陸にあがる区間で実施しています。
陸上からドローンを操縦点検を実施した場合には、ドローンの付属ケーブルの長さにより潜航範囲(200m程度)が限られ、付属ケーブルが潮流を受け点検箇所まで潜航できなくなるほか、岩礁帯で付属ケーブルが岩にひっかかるなど、ドローンの操縦が困難になります。
そこで、今回、沖合約2kmまでの区間について、船上からドローンを操縦して、点検を実施することとしました。
この方法により、従来、ダイバーで実施していた点検の一部を、ドローンに切り替えることができました。
点検は、点検船と警戒船(作業中であることを他船等に示し、作業範囲内に不用意に入らないように警戒を行う船舶)の2隻体制で実施します。
操縦者は、ドローンに搭載されたカメラからの映像を監視しながら、海底ケーブルルートに沿ってドローンを潜航し、点検します。点検映像は録画し、後ほど見返すことで、損傷箇所の見落とし防止を図っています。
また、今回、潜航中のドローンの位置を把握するため、音波による水中測位装置を使用しました。これにより、ドローンが潜航中に海底ケーブルを見失っても、測位を頼りにケーブルを探索でき、効率的な点検が可能となりました。
一方、点検中にドローンのスクリューが故障し、潜航不能となるトラブルがありました。この報告を受けた時は、復旧に相当の時間を要するものと覚悟していましたが、想定以上に、ドローンが容易に分解、再組立が可能な構造であったため、現地で分解修理を行うことができ、大きな遅れもなく点検を実施できました。
⛵おわりに
今回、船上からのドローンによる海底ケーブル点検をご紹介しました。2時間弱で沖合約2km区間の点検が行え、疲労も少なく、効率的な点検が実施できました。
これからも、新技術の導入を積極的に図っていくなどして、海底ケーブルの更なる点検効率化を目指していきます!
島しょ地域の情報通信基盤整備及び保守、運用管理に関する情報や事業概要は、デジタルサービス局ホームページで公開をしていますので、ぜひご覧ください。
(過去の水中ドローンに関するnote)
令和6年2月28日「水中ドローンの紹介」noteはコチラ
令和6年8月21日「水中ドローンの実証」noteはコチラ