ふたを開けると出会える職人の技「何が生まれる?展」
東京には、江戸から受け継がれる職人の技が、今も数多く息づいています。そんな職人たちの“きらり”と光る「技」に出会えるイベント「何(なに)が生まれる?展」が、3月6日(金曜日)から8日(日曜日)まで、表参道ヒルズ 本館地下3階 スペースオーで開催されました。

入口にはプロローグとして、職人が作業している様子が、5種類の映像と音で流れています。よく聞いてみると、それぞれの叩く音、削る音、磨く音などが重なり合い、『東京音頭』のリズムを奏でていることに気づきます。

展示会場に入ると、「削る」「染める」「組む」「描く」「育む」の5つの技のカテゴリーごとに、スタイリッシュな空間が広がっています。大小さまざまなショーケースが陳列されているのですが、近づいてみるとその中に飾られているのは、素材や道具、廃材などばかりです。

例えばこのショーケースには、いくつかの道具が並んでいますが、何に使うものなのかはよくわかりません。

「何が生まれる?」と書かれているふたを手で開けてみると・・・

色鮮やかなバッグが姿を現します。これは、鹿革に漆で模様を施す印傳(いんでん)という伝統技法で作られたもの。完成品は箱の中に入っていて、自分の手で開けると、ショーケースに入った道具と商品の関係がわかる説明を確認することができます。

このように、上のショーケースを見て、ここから「何が生まれる」のか、想像しながら自分の手で開けて確かめる、というのが展示の楽しみ方。隠れているからこそ次々にふたを開けたくなるワクワク感があります。会場では小さなこどもから大人まで、さまざまな年齢層の方が楽しんでいました。

期間中は展示のほかにも、当日参加できるワークショップや、職人による技の披露が行われました。
ワークショップの一つとして行われたのは、扇子・うちわの専門店による絵付け体験。参加者は桜の花をステンシルで描き、世界に一つだけのオリジナル扇子をその場で作り上げて持ち帰りました。


また、技の披露では「摺師(すりし)」より、木版画の摺り実演が行われました。近年注目を浴びている浮世絵の歴史や作り方の工程、道具についての話も交えながら、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」が見事に摺りあがりました。

展示・体験エリアを出ると、出展者の商品が購入できる販売エリアになっています。数百万円する芸術的な大作からお手頃価格の実用品まで、どの品にも伝統の技が息づいているのが感じられます。海外からの観光客が興味深そうに手に取る姿も見られました。
このイベントは、都が推進する「江戸東京きらりプロジェクト」の取り組みの一環として開催されました。伝統的な工芸や匠の技、食文化などを「宝物」として磨き上げ、東京を代表するブランドとして国内外に発信しています。東京が誇る職人技は、国も時代も超えて魅力的なのだと改めて感じることができるイベントでした。


