夜空にドローンが放つ驚きと感動―未来型エンタメの可能性

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上野恩賜公園で開催されたPeace of Lightでの演出 Photo: courtesy of レッドクリフ
 
パンダや満開の桜、アメ横商店街の看板など、東京・上野を象徴するさまざまなモチーフが夜空に浮かび上がる。2025年11月に開催された、上野から平和のメッセージを世界へ発信するイベント「Peace of Light」の一幕だ。

 ドローンショーを演出・運営したのは、東京発のスタートアップ、株式会社レッドクリフ。 日本のドローンショーの第一人者として知られる代表取締役の佐々木孔明氏に、ドローンショーの可能性について聞いた。
 

花火大会を最新技術で持続可能なものに

 夜空を舞台にしたドローンショーは、これまでにない驚きと感動を生むエンターテインメントとして注目が高まっている。

 「花火大会で行う機会も増えています。北区花火会のほか、秋田県の大曲や新潟県の長岡など日本を代表する大規模大会でも実施しました。花火大会では、主にオープニングやエンディングでテーマに合わせた演出を行い、地域の象徴的なモチーフを映し出すこともあります」

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花火とドローンショーの相性は良いと語る佐々木氏

 日本の文化として古くから親しまれている花火大会と最新技術を駆使するドローンショーとの融合には、大きな意味がある。花火師の減少や資金不足、周辺環境への配慮など、近年の花火大会が抱える課題解決につながるのがドローンショーなのだ。

 「主催者にとってドローンショーは、人手不足の解消や騒音、煙などの減少につながるだけでなく、協賛企業のロゴを映し出し、広告効果を向上させるといった大きなメリットがあります。それが協賛金の増加や新たな協賛企業の獲得につながっています」

Peace of Lightで演出されたアメ横商店街の看板のアート Photo: courtesy of レッドクリフ (1-10枚目)Peace of Lightで演出されたパンダのアートショーで使用される実際のドローン大阪・関西万博の開幕日に演出された特別ドローンショーレッドクリフのドローンショーは、大阪・関西万博で開催されたスペクタクルショーの演出内容の一つにもなったレッドクリフは大阪・関西万博で、二つのギネス世界記録を達成した「大曲の花火 -秋の章- 花火芸術祭」では、500機のドローンを使用してショーを行った「大曲の花火 -秋の章- 花火芸術祭」で演出された宇宙飛行士と秋田犬のアート「長岡まつり大花火大会2025」では、フィナーレの演出を担当「長岡まつり大花火大会2025」では来場者へのメッセージを夜空に描き、自然な形で退場誘導を行った

情報発信にも有効なドローンショー

 レッドクリフのドローンショーは、エンターテインメント性の高さでも知られる。

 「ドローンショーは、使用するドローンの台数によって表現力が大きく異なります。レッドクリフでは6,500台以上を保有することから、複雑な表現が可能です。花火搭載ドローンやフラッシュモジュールを積んだドローンなどを使用し、革新的な技術を積極的に取り入れています。また専門チームによるクオリティの高いアニメーションを制作できることも大きな強みです」

 ドローンショーは、案内や情報発信を行う手段としても機能する。

 「花火大会で『立ち止まらずにお進みください』といった案内を表示することで、スムーズに誘導ができました。また、夜空にQRコードを表示することもできます。観客がスマホから読み取ることで特定のWebサイトなどにアクセスできるので、プロモーションに生かすことが可能です」

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空中に映し出されたレッドクリフのロゴとQRコード Photo: courtesy of レッドクリフ

東京の夜空から感動体験を発信

 急成長を遂げているレッドクリフは、東京ベイeSGパートナー企業として、2024年にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のスマートシティ関連イベント「SCEWC 2024 -Smart City Expo World Congress」、さらに2025年にはドイツ・ベルリンで開催された世界最大級の国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2025」に出展した。さらに東京都が主催するグローバルイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2025」にも出展し、国内外で日本の次世代エンターテインメントとして発信している。

 「SusHi Tech Tokyo 2025ではドローンショーの映像を流すほか、小型のプログラミング用ドローンのデモフライトを行いました。ドローンのプログラミング教育についても紹介し、レッドクリフの認知を広めることができました。ビジネス関連のお客様だけではなく一般客の方とも接することができ、反響の大きさに手応えを感じました」

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SusHi Tech Tokyo 2025のパブリックデイでは、子どもの姿が目立ったという Photo: courtesy of レッドクリフ

 無限の可能性を秘めるドローンショーを、レッドクリフはこれからどのように展開していくのか。

 「今後は自社運営のドローンショーの開催を視野に入れています。日本のアニメキャラクターやゲーム、あるいは相撲や歌舞伎など日本独自の文化を生かしたコンテンツを制作して、東京で新たな夜のエンターテインメント市場を開拓したい。インバウンド需要にも応えて東京の観光資源の一つとして展開したいと思っています。さらにラスベガスや中東諸国などへの海外進出も念頭に入れています」

 ドローンショーの世界では後発だった日本で、東京発のスタートアップがここ数年で大きく力を付けている。

 「東京は私たちにとって大きな挑戦を可能にする場。助成金や補助金などの支援もあり、SusHi Tech Tokyoなどの展示会も数多く開催されています。海外へのアクセスが良いのも魅力です」

 レッドクリフがドローンと共に世界の空へと羽ばたく日は近い。

佐々木孔明

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株式会社レッドクリフ代表取締役CEO。大学在学中にドローンと共に世界一周の旅に出る。帰国後、世界最大手のドローンメーカーDJIの日本1号店に勤務。2019年、株式会社レッドクリフを起業。東京2020オリンピック・パラリンピックでは空撮を担当。2021年よりドローンショー事業に参入。2024年、世界を変える30歳未満30人(Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024)に選出。

株式会社レッドクリフ

https://redcliff-inc.co.jp/

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Sustainable High City Tech Tokyo = SusHi Tech Tokyo は、最先端のテクノロジー、多彩なアイデアやデジタルノウハウによって、世界共通の都市課題を克服する「持続可能な新しい価値」を生み出す東京発のコンセプトです。
SusHi Tech Tokyo | Sustainable High City Tech Tokyo

取材・文/今泉愛子
写真/藤島亮

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