AIがマーケティング素材を自動制作
「ECサイトやオンライン広告などに掲載する商品画像や商品映像をより手軽に、より早く制作したいという要望が急速に高まっています。VCAT.AIは、商品のURLを入力するだけでマーケティング素材を自動制作する、AIサービスです」

これなら、商品のバナーも異なるサイズやレイアウトのものをすぐに制作できるため、自社のオンラインモールやECサイトが希望するタイミングで販売を開始できる。割引販売やセールにもすぐに対応可能だ。手軽さ、迅速さは、コスト削減にも直結する。
グローバルに展開する企業にとってもメリットが大きく、取引先はすでに6万社を超える。
「多くの企業は、広告画像に使用する文字のフォントや色など詳細な広告ガイドを定めていますが、幅広く海外展開をしているある企業は、自社の方針に沿わない広告を出す地域があることに頭を悩ませていました。対策を考えた結果、VCAT.AIの導入を決めたそうです」
グローバル展開する上で重要な、ブランドイメージを守ることにも貢献するのだ。
撮影なしでリアルな映像制作が可能
さらにオリジナルの映像制作にも強みを見せる。生成AIを活用し、撮影なしで映像を制作できるサービス「CREAGEN LAB」では、企業のAI導入を支援すると同時に、より自由な表現を可能にする。現実で再現が難しい映像を制作できる点が特徴だ。
「例えば、髪に潤いを与えるヘアケア製品のプロモーション映像では、砂漠に立つロングヘアの女性をテーマに映像を制作しました。社内のデザイナーが、カメラの角度やレンズ、気候、照明等を吟味した結果、クオリティの高い映像が完成し、とても満足していただけました」
砂漠でモデル女性を使ったロケを実施したのではなく、テキスト入力のみによる生成AIで制作したため、時間や費用を大きく削減することができる。実在のモデルを起用した場合に生じる権利面などの問題に対応しやすい点も魅力だ。

AIは、人が指示を出すプロンプトが重要になる。そうした課題にもうまく対応し、ゆくゆくは企業が内製できる環境を整える。
「AIに関心を持つ企業が増えていますが、多くは、なかなかうまく使いこなすことができない、という悩みを抱えています。私たちは、AIの力を使って、ブランド戦略に沿ったメッセージを伝えるお手伝いをしたいと考えています」
5月に東京ビッグサイトで開催されたアジア最大級のスタートアップカンファレンス、SusHi Tech Tokyo 2025では、大規模なECモールを運営する企業など、マーケティング素材を自動制作するAIサービスに興味を持つ多くの企業との出会いがあった。
「私たちが提供するAIを使ったサービスは言葉で説明するよりも、実際の映像や制作過程を直接見ていただくことが、最も確度の高いアプローチになります。今後のビジネスの弾みになりそうです」
最先端のテクノロジーが、社会の中で当たり前のものになっていく。その架け橋となる企業の一つがVCAT AIだ。
スタートアップ支援が充実している東京
改めてスタートアップ企業にとって東京とはどんな都市なのかを聞いた。
「SusHi Tech Tokyo 2025のようなイベントがあるなど、新しい企業に対して大きく開いた都市だと思います。ビジネスチャンスが多く、支援も充実しているので、スタートアップ企業にとって適切な環境が整っています。認知度を上げること、社会的な信頼性を高めることなどスタートアップ企業にとっての壁を超える手助けをしてくれる都市です」
SusHi Tech Tokyo 2025への参加を通じて、東京を起点に日本市場での新たな事業領域の開拓や、幅広いジャンルで活用されるAIサービスの普及が期待される。
「VCAT.AI」を活用して試作したTOKYO UPDATES記事の紹介動画 Movie: 東京都
VCAT AI
Sustainable High City Tech Tokyo = SusHi Tech Tokyo は、最先端のテクノロジー、多彩なアイデアやデジタルノウハウによって、世界共通の都市課題を克服する「持続可能な新しい価値」を生み出す東京発のコンセプトです。
SusHi Tech Tokyo | Sustainable High City Tech Tokyo
画像提供/VCAT AI