【多摩動物公園】8年ぶりの混合展示再開へ~サバンナエリアの動物たち~

東京ズーネット
 リニューアルのため、多摩動物公園内の各所に引っ越しをしていた動物たちがアフリカ園「サバンナエリア」に帰ってきました。モモイロペリカン(以下「ペリカン」)は、2022年1月からの3年間、シロオリックス(以下「オリックス」)は、2017年6月からの8年間と長い期間の引っ越しでした。

 2025年5月7日に6羽のペリカンを戻し、キリンとの同居を開始しました。新しい場所に慣れないようすもありましたが、もともとキリンの群れと一緒にいたため、過剰な反応は見られませんでした。逆に、キリンの群れの中で初めてペリカンを見る個体は興味津々で、特に「トナ」(メス、6歳)と「ジュン」(オス、3歳)がしつこく顔を近づけてはペリカンたちに威嚇されていました。
 


ペリカンに興味津々のトナ(右上の個体)

 6月4日には上野動物園から4羽のペリカンたちも仲間入りし、10羽の群れとなりました。まったく知らない場所、見たことのないキリン、初めましての多摩のペリカンたち、と心配の多い移動でした。しかし、1羽ずつゆっくり群れに加えていったところ、飼育担当者の心配とは裏腹に、喧嘩も起きずスムーズに群れ入りができました。放飼場内の落ち着ける場所の一つである火山礫の山の頂上で、10羽が身を寄せ合う姿も確認できました。多摩の6羽も上野の4羽も移動して数日はえさをあまり食べないほど環境に慣れていませんでしたが、今ではペリカン池に10羽が集まるほど慣れました。採食の姿が見やすいように、池にはガラス越しにペリカンの行動が見られる場所を作りました。ぜひ魚をくちばしですくうようすなどを見に来てください。

 オリックス6頭は、6月11日にサバンナエリア内のシマウマ・オリックス舎に移動しました。慣れない場所ということもあり、当初はあまり食べなかったり、室内に入ってこなかったりする状況でした。キリン、オリックスがお互いの存在に慣れるよう、すぐに同居はさせず、オリックスはサブパドックで2週間飼育しました。すると6頭ともあわてることなく落ち着いたようすを見せてるようになったので、6月25日にキリンのいる大放飼場へ出しました。
 


顔合わせ中のキリンとオリックス

 同居後すぐはキリン、オリックスともに落ち着きがなく、どちらかが走り出すと連鎖的に放飼場内をバタバタと走り回るようすも見られましたが、15分ほどすると落ち着き始めました。新しい大放飼場に出るのは初めてなので、部屋に戻ってくるかと心配でしたが、問題ありませんでした。

 これでサバンナエリアに展示予定の動物種のうち3種が揃い、8年ぶりの混合展示が再開できました。展示再開まで心配の連続でしたが今後も何が起こるかわかりません。引き続き、注意深く観察していきます。
 


サバンナエリアの3種


〔多摩動物公園北園飼育展示係 岡田〕

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