【葛西臨海水族園】フンボルトペンギン──かわいいだけじゃない、小さいけれどたくましい
プールで泳いだり、ぷかぷか浮かんでいたりするフンボルトペンギンの姿を見ながら「気持ちよさそう」という声をよく耳にします。また、短い足でペタペタと歩くようすが愛らしく、ペンギンは優雅にのんびりとすごしているように見えるかもしれませんが、その小さな身体でじつはハードな年間スケジュールをこなしているのです。

「ペンギンの生態」エリアで泳ぐフンボルトペンギンたち
葛西臨海水族園では国内最多の100羽以上のフンボルトペンギンを飼育しています。当園の繁殖期は11月ごろから6月末までと営巣行動から始まり、産卵、抱卵、育雛とそれぞれの個体がおこなうため長期間におよびます。
抱卵期間は約40日、オスとメスが交代で卵を温め、孵化後は約2か月半~3か月いっしょにひなを育てます。親鳥はひなに自分が食べたえさを吐き戻してひなに口移しで食べさせるため、通常よりも多くえさを食べる必要があります。また、この時期はほかの個体から自分の巣や卵を守るためペンギンどうしの闘争も日々絶えません。
6月下旬になり、ようやく繁殖期から解放されてもペンギンにのんびりしているひまはありません。次に待ち受けるのは、換羽期です。1年間、身にまとっていた羽が全て抜け新しい羽に生え変わります。
現在、ボサボサしているように見えるペンギンが多いのは古い羽が傷んできているためです。羽は保温や防水の機能を備えていてペンギンの身体を守っています。
野生では海で魚を捕まえて食べているペンギンですが、換羽中は水に入ってもこれらの機能が果たされないため換羽が始まる前にたくさんのえさを食べて脂肪を蓄え絶食状態に入ります。陸地で静かにすごすことでエネルギーの浪費を防ぎ2週間ほど耐え忍びます。
全個体の換羽が終わるには9月ごろまでかかります。その後、ようやく、ゆっくりとひとときをすごすことができるのですが、また11月になると、せっせと営巣行動に精を出すようになります。

ボサボサとした毛並みのフンボルトペンギン
いつでも一生懸命なフンボルトペンギンたちに会いにきてください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 齊藤美和〕
◎関連記事
・ペンギンの「ヘッドモルター」(2007年10月12日)
・いつもと違うフンボルトペンギンを見に行こう!(2008年09月12日)
・フンボルトペンギンの換羽遅延(2009年08月28日)
・ペンギンたちの衣替え(2013年08月23日)
・ペンギンの「抱卵斑」(2018年07月27日)
・ペンギンの巣箱作りとその工夫(2020年08月28日)

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抱卵期間は約40日、オスとメスが交代で卵を温め、孵化後は約2か月半~3か月いっしょにひなを育てます。親鳥はひなに自分が食べたえさを吐き戻してひなに口移しで食べさせるため、通常よりも多くえさを食べる必要があります。また、この時期はほかの個体から自分の巣や卵を守るためペンギンどうしの闘争も日々絶えません。
6月下旬になり、ようやく繁殖期から解放されてもペンギンにのんびりしているひまはありません。次に待ち受けるのは、換羽期です。1年間、身にまとっていた羽が全て抜け新しい羽に生え変わります。
現在、ボサボサしているように見えるペンギンが多いのは古い羽が傷んできているためです。羽は保温や防水の機能を備えていてペンギンの身体を守っています。
野生では海で魚を捕まえて食べているペンギンですが、換羽中は水に入ってもこれらの機能が果たされないため換羽が始まる前にたくさんのえさを食べて脂肪を蓄え絶食状態に入ります。陸地で静かにすごすことでエネルギーの浪費を防ぎ2週間ほど耐え忍びます。
全個体の換羽が終わるには9月ごろまでかかります。その後、ようやく、ゆっくりとひとときをすごすことができるのですが、また11月になると、せっせと営巣行動に精を出すようになります。


ボサボサとした毛並みのフンボルトペンギン
いつでも一生懸命なフンボルトペンギンたちに会いにきてください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 齊藤美和〕
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