【井の頭自然文化園】森の景色に溶け込むオオコノハズク
オオコノハズクは、夜行性の小型のフクロウのなかまで、日本全国の平野部から山地の森林、大きな公園などに生息しています。全長25cmほどの大きさで、あたまの上に「羽角」(うかく)とよばれる飾り羽が生えています。全身の模様が樹皮に似ていて、森の景色に溶け込みます。また、自分より強い相手が現れたときや危険を察知した際に、体を細くし、動きを止めて木の枝などに姿を似せてやりすごします。
そんなふうに隠れるのが上手なオオコノハズク。井の頭自然文化園でも、いるはずの展示場の中を見て「いない!」と言っている来園者の方の声をよく聞きます。
現在当園では、オスのオオコノハズクを3羽飼育していますが、じつは飼育係でも景色に溶け込んでいてすぐに見つけることができないこともしばしばあります。しかし毎日よく観察していると、基本的に同じ場所で休んでいることが多く、それぞれ個体によってお気に入りの場所があることがわかってきました。
夏は風通しのよい木の茂みや丸太の上で身を潜めていました。

夏に丸太の上で休んでいるようす
寒くなってきた今の季節は、丸太で作ったとまり台で休んでいる姿をよく見ます。
野生では冬に樹洞をねぐらとして使うこともあり、当園でも日中は木の上でなく、巣箱の中でじっとしていることが多くなります。それでも巣箱から顔を出している姿や、薄暗くなる17時の閉園間際には外に出てえさを食べている姿もご覧になれるでしょう

丸太で作ったとまり台
また飼育係が部屋の掃除に入ると、羽角をピン!と立てて警戒します。タイミングがよければそのような姿も見られるかもしれません。

羽角を立て警戒しているようす
オオコノハズクのさまざまな姿を見に、ぜひ足をお運びください。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 金子〕