【知事の部屋】庁議

知事の部屋

令和6年(2024年)4月1日(月曜日)、東京都庁において庁議が開催され、小池知事は職員に対する訓示を行いました。

(小池知事)

はじめに

それでは一言、申し上げます。今日4月1日、いよいよ新年度の幕開けでございます。今日、栗岡副知事が就任をし、そして局長級にも異動がございました。新たな体制の下、新鮮な気持ちで、都民一人ひとりの幸せの実現に向けて、都政運営に臨んでいきたいと思います。
また、能登半島地震の復旧・復興に全力を挙げている只中でもあります。上下水道をはじめ、保健・医療、そして避難所の運営など、被災者に寄り添って奮闘する各局の皆さん方には心から感謝をいたしたいと思います。
関東地方でも、千葉県や茨城県を震源とする地震が最近頻発もしています。改めまして、首都東京の備えも見つめ直して、都民の命、そして財産を守る、その使命をしっかりと果たしてまいりましょう。

時代の潮流を「鳥の目」で見極めよう

災害対応だけではありません。我が国の現状、困難を極めております。さらなる少子高齢化、低迷する国際競争力、激甚化・頻発化する気候変動への対応などなど、経済や社会の構造、その根底から見直さなければなりません。そのような課題は山積をしております。加えまして、国際情勢です。複雑に絡み合って混迷はますます深まるばかりと言えます。だからこそ、今、以前にも増して、この大きな時代の潮流を「鳥の目」でしっかりと見極めていく重要性が高まっております。

いま都政に求められる姿勢

とりわけ、東京は、諸都市との厳しい国際競争の中で、都民のより良い暮らしを実現していかなければなりません。目の前のことだけではなく、50年100年という大きな時間軸を持って、国際社会のダイナミックな動きをしっかりと見定めながら、時宜を逸することなく行動していく、そのスピード感が極めて重要でございます。社会、産業は大きく変化する時代でございます。その中にあって、組織の壁を越え、都庁が一つのチームになる。そして、新年度予算に盛り込みました数々の政策を大胆に、緻密に、そして迅速に実行してまいりましょう。今後一年間の大切な節目であります。改めて、このことをみんなで徹底してまいろうではありませんか。

「大義」と「共感」で東京から社会を変える

さて、日経平均株価が終値としてバブル期を超え、34年ぶりになります、4万円の突破ということであります。日銀のマイナス金利も解除となるなど日本経済にも歴史的な変化の兆しが現れております。これを持続可能な成長へと結び付けられるかどうか、これが今問われております。社会の変化に合わなくなった時代遅れの制度、またルールで私たち自身が自縄自縛に陥って、身動きが取れなくなっているケース、多々あるかと思います。いつの世も新たな時代を切り拓く、そのために「人」、これが重要だといろんな場面で申し上げてまいりました。まさに「人」こそが、この東京における大事な資産であります。次世代を育むチルドレンファーストの取組、望む人誰もが子供を産み育てられる環境の整備、アクティブな長寿社会の実現。そして、都民一人ひとりが輝けるように、社会を根っこの部分から変革をしていく。この「大義」を、都政の一つひとつの仕事の中で、実践してまいりましょう。
私はいつも申し上げておりますように、大義には必ず「共感」がセットでなければならない。このように申し上げてまいりました。すべての施策、事業の先には、多様な都民がおられます。その一人ひとりに、丹念に練り上げた多様な施策、その意義や内容が広く深く伝わるかどうか。どうすれば都民にその施策が伝わるか。是非、全庁を挙げて「伝わる」広報に工夫を凝らしてください。

職員一人ひとりの力を最大化する

また先ほど、「一つのチーム」ということを申し上げました。それに加えまして、職員一人ひとりの力、最大化することも重要でございます。それぞれの持ち場で、オープン&フラットな職場づくりを求めてまいります。言うまでもなく都庁組織の活力の源泉も「人」、すなわち職員の皆さんです。若手からベテランまで、闊達な議論、そして挑戦を積極的に推奨する文化を根付かせ、一人ひとりの活躍を存分に引き出してほしいと思います。同時に、DXも強力に推進して、効率的な職務の遂行を徹底するようお願いを申し上げます。

大改革によって都民に笑顔を届けよう

さて、いよいよ、ようやくと言うんでしょうか、都内各地で桜が開花の時期を迎えております。この土曜日曜も一足早くお花見、楽しんだ方もいらっしゃるかと思います。一説には、庶民の間でお花見、この文化が広まったのは、八代将軍吉宗の時だそうでございます。それは都市づくりの一環として、江戸の各地に桜を植えよという、そのことがきっかけになったと言われております。都市の発展のために力を尽くした、こういった先人たちの営み。その足跡とも言える歴史、そして文化。これからの東京を輝かせていく、そのための貴重な財産であります。
Old meets New、言うならば「温故創新」とでも言うんでしょうか。この温故創新の精神で、東京に眠る無限の可能性を改めて掘り起こしていく。そして、今、これからの満開の桜のように、1400万の都民にもしっかりと笑顔を届けていきたいと思います。そして、世界から憧れられる明るい東京の未来を都民の皆さんが実感できますよう、都民が第一、都民ファースト、その下で「東京大改革」、さらに推し進めてまいりましょう。
どうぞ今年度も、皆さんの力に期待しておりますので、頑張ってまいりましょう。

以上で、私の話を終わります。ありがとうございました。

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