令和6年 地価公示価格(東京都分)の概要

都庁総合ホームぺージ

令和6年 地価公示価格(東京都分)の概要
調査基準日:令和6年1月1日

地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が標準地を選定し、毎年1月1日時点の調査を行い、価格を判定して、一般の土地の取引価格の指標等として公表するもので、昭和45年以降毎年実施している。令和6年の東京都分の地点数は2,602地点で、令和5年と同数である。用途区分ごとの地点数は、住宅地1,697地点、商業地857地点、工業地40地点、林地8地点となっている。

1 令和6年地価公示価格(東京都分)の動向

東京都全域で見た場合、住宅地、商業地及び全用途(住宅地、商業地及び工業地の計)で対前年平均変動率(以下「変動率」という。)は3年連続でプラス、工業地は11年連続でプラスとなった。
令和5年地価公示では、区部1,566地点、多摩地区846地点の計2,412地点で価格が上昇し、多摩地区31地点、島部4地点の計35地点で価格が下落したが、令和6年公示では、前年との比較が可能な継続地点2,575地点のうち2,513地点で価格が上昇し、15地点で価格が下落した。
上昇した2,513地点の地区別内訳は、区部が継続地点1,579地点中1,578地点、多摩地区が同978地点中935地点、島部が同18地点中0地点で、用途別の内訳は、住宅地が同1,676点中1,629地点、商業地が同851地点中844地点、工業地が同40地点中40地点、林地が同8地点中0地点である。
下落した15地点の地区別内訳は、多摩地区が13地点、島部が2地点で、用途別の内訳は、住宅地が6地点、商業地が1地点、林地が8地点である。林地は全て多摩地区の地点である。
また、価格横ばい(前年から価格変動がない)の地点は47地点で、地区別内訳は、区部が1地点、多摩地区が30地点、島部が16地点となっている。用途別の内訳は、住宅地が41地点、商業地が6地点である。

(1)住宅地

区部

  • 区部全域の変動率は5.4%となり、令和5年の3.4%から上昇幅が拡大した。3年連続で全23区の変動率がプラスとなった。
  • 上昇率が最も高かったのは7.8%の豊島区(前年4.7%)で、7.5%の中央区(同4.0%)、7.4%の文京区(同4.4%)がこれに続いている。
  • 上昇率が最も小さかったのは4.0%の世田谷区(前年2.3%)と練馬区(同2.8%)で、4.2%の葛飾区(同2.8%)がこれに続いている。

多摩地区

  • 多摩地区全域の変動率は2.7%となり、令和5年の1.6%から上昇幅が拡大した。
    2年連続で全26市2町の変動率がプラスとなった。
  • 上昇率が最も高かったのは4.5%の調布市(前年3.6%)で、4.4%の府中市(同3.3%)、4.3%の武蔵野市(同3.0%)がこれに続いている。
  • 上昇率が最も小さかったのは1.2%の日の出町(前年0.3%)で、1.3%の青梅市(同0.7%)とあきる野市(同0.7%)がこれに続いている。

(2)商業地

区部

  • 区部全域の変動率は7.0%となり、令和5年の3.6%から上昇幅が拡大した。2年連続で全23区の変動率がプラスとなった。
  • 上昇率が最も高かったのは9.1%の台東区(前年4.1%)で8.3%の荒川区(同5.2%)、8.2%の中野区(同5.2%)がこれに続いている。
  • 上昇率が最も小さかったのは5.0%の練馬区(前年3.2%)と足立区(同3.6%)で、5.2%の世田谷区(同3.4%)がこれに続いている。

多摩地区

  • 多摩地区全域の変動率は3.8%となり、令和5年の2.1%から上昇幅が拡大した。2年連続で全26市1町変動率がプラスとなった。
  • 上昇率が最も高かったのは5.9%の狛江市(前年3.9%)で、5.8%の武蔵野市(同3.4%)、5.4%の国分寺市(同3.2%)がこれに続いている。
  • 上昇率が最も小さかったのは1.6%のあきる野市(前年0.5%)と瑞穂町(前年1.7%)で、1.7%の武蔵村山市(同1.1%)がこれに続いている。

地区別・用途別対前年平均変動率

(単位:%)

項目

地区

住宅地 商業地 工業地 全用途
6年 5年 6年 5年 6年 5年 6年 5年
区部 5.4 3.4 7.0 3.6 4.8 3.2 6.0 3.5
多摩地区 2.7 1.6 3.8 2.1 4.9 4.5 3.0 1.8
島部 -0.1 -0.2 -0.3 -0.5 -0.1 -0.3
東京都全域 4.1 2.6 6.3 3.3 4.8 3.8 4.8 2.8

※林地を除く

(3)地価の半年単位の動向

  • 東京都地価調査の基準地と同一地点である標準地(以下「共通地点」という。)216地点について、前半期(令和5年1月1日~同年7月1日)・後半期(令和5年7月1日~令和6年1月1日)の平均変動率(以下「半期変動率」という。)を見た場合、いずれの区分でもプラスとなり、前半期より後半期の半期変動率が高くなっている。
  • 令和4年1月1日から令和5年1月1日までにおける半期変動率と比較して推移を見ると、いずれの区分においても、半期変動率の上昇幅が継続的に拡大している。

東京都地価調査との共通地点における動向

(単位:%)

  令和4年 令和5年
前半期
(令和4年1月1日~令和4年7月1日)
後半期
(令和4年7月1日~令和5年1月1日)
年間 前半期
(令和5年1月1日~令和5年7月1日)
後半期
(令和5年7月1日~令和6年1月1日)
年間
区部 住宅地 1.5 1.9 3.4 2.4 2.9 5.4
商業地 1.5 2.1 3.7 2.9 4.1 7.1
全用途 1.5 2.0 3.5 2.6 3.5 6.2
多摩地区 住宅地 0.8 1.3 2.1 1.4 1.9 3.4
商業地 1.0 1.4 2.4 1.9 2.6 4.5
全用途 0.9 1.4 2.3 1.6 2.2 3.8
東京都全域 住宅地 1.2 1.7 2.9 2.0 2.5 4.5
商業地 1.4 1.9 3.3 2.6 3.7 6.4
全用途 1.3 1.8 3.1 2.2 3.0 5.4

2 地価動向の背景

住宅地

  • 区部では、新型コロナウイルス感染症が感染症法第5類に移行したことを受け、経済活動が更に正常化に近づいている。テレワーク等で在宅時間が長い者にはより広い住宅を求めるニーズがあることや、富裕層を中心に住宅取得のための資金に余裕があること等を反映して需要は引き続き旺盛で、住宅地の地価は全般に上昇傾向にある。ただし、区部外縁部では、地価上昇の勢いが弱まりつつある地域も見られる。反対に、富裕層が需要の中心となる都心区及びこれに隣接する区では、特にマンション需要が引き続き旺盛で、素地価格についても価格の上昇が続いている。
  • 多摩地区では、再開発事業及び区画整理事業等により住環境が向上した地域、駅徒歩圏内の接近性が優る利便性の高い地域で、緩やかな上昇で推移している。一方、下落地点は、バス便利用の住宅地域、丘陵地の住宅地域等が挙げられる。

商業地

  • 区部では、国内外の観光客で賑わう地域、再開発事業が進捗している地域等を中心に、都心区に隣接する住商併用地域の地点で上昇が大きく、都心区の一般高度商業地域や業務高度商業地域の地点では大規模オフィス賃料の低迷傾向などを反映して上昇率が低位に留まっている。
  • 多摩地区では、都心部に近いエリアで比較的上昇率が高く、西に行くに従って横ばい傾向になっている。また、駅前再開発等が多い中央線及び京王線沿線の駅前商業地の地点の上昇率が高く、多摩地区の商業を牽引している。

工業地

  • 区部では、物流施設の地点については引き続き湾岸部を中心に上昇率が高いが、内陸部の中小工場の地点についても上昇率が拡大している。多摩地区では、大規模工業地は物流施設等の用地としての需要が見られるが、小規模工業地は地元の中小事業者に需要が限定され、地価の上昇が限定的である。

発表した地価公示価格(東京都分)はホームページで3月26日(火曜日)17時00分よりご覧いただけます。

QRコードの画像

関連ワード
カテゴリ
タグ